ふむです。
今回は、社会人として企業に属し働く方の「評価」について、これからの時代により必要となる重要な2つの要素と、評価とそれに紐づく行為からその2つの要素を満たすためにどうすればいいのかについて3つのポイントを話していきます。
会社からの評価を何と捉えるか?
「個人のパフォーマンス最大化を実現する人材マネジメントツール」
企業で働く価値というのは何も給与がもらえること、多い少ないだけではありません。間違いなく個人のあらゆる面で何らの成長が行える行為です。ここでは"自分らしく働き"ながらより個人のパフォーマンスを最大化し多種多様な働き方を推進する。その道具として、評価という行為を通じて何ができるのか?を考えていきます。
多種多様な働き方をする上で重要な2つの事
多種多様な働き方が生まれてくる中、より個人として成長を促すために評価という軸から以下の様な要素が大切である。と考えました。
- 評価が公平であること
- 評価が納得できるものであること
より公平で納得できたとき、会社にとっても個人にとっても成長が促される促進剤として評価が使えるということです。
ただし、あくまで主観的な話であり、つまりは本人がそう感じれるか?に掛かっています。
では公平で納得感のある評価にするためにできることはなにか?これからの時代に評価という役割について考え直すポイントはどこにあるか?考えていきます。
公平で納得感のある評価に必要な3つのポイント
個人として成長を促すために評価という側面からアプローチする方法として、以下3つのポイントがあると考えます。
生産性評価 |
従来の人事制度に対し、評価の項目に追加すべきもの。 |
1 on 1 ミーティング | 評価期間(例えば期など)という過程における上司からのフォロー機会の増加。 |
360度評価 | 多面的に評価されることで、評価の内容(意見や表現)を多く取り入れ、自身の行動と照らし合わせより良い自分になるための工夫の機会を増やす。 |
まずは、主にミレニアル世代と呼ばれる比較的若い層を中心に世代の定義や世代が感じている評価への不安を考えてみます。
ミレニアル世代とは
ミレニアル期である西暦2000年以降に成人した多種多様な価値観を持つ世代です。2025年には世界の労働人口の75%をミレニアル世代が占める様になるとされてます。
ミレニアル期である西暦2000年以降に成人した、あるいはする世代で、1980~2000年代初頭に生まれた、かなり幅広い年代を指す。当初、マーケティング対象としてとらえどころのない世代として注目されていたが、現在ではコミュニケーションを重視し、多様な価値観を持つ世代という評価が定着してきた。スマートフォンや SNS を使いこなすデジタルネイティブ世代でもあるし、日本ではいわゆるゆとり世代がミレニアル世代に大きく重なる。2025年には世界の労働人口の75%をミレニアル世代が占めるようになる
ミレニアル世代は働き方改革に何を提言するのか?
現状の評価に対する不満・不安
先のミレニアル世代は評価について制度としての課題=必ず上司からの一方方向での評価であること、プロセスとしての課題=「目標設定の難易度の不透明さ」「効率性の未考慮」「フィードバックの遅さ(半期や年度)」と言ったものを課題として感じています。
次に多種多様な働き方が増える過程で出てくる新たな問題を考えてみます
多様な働き方とは
一例として、2020年の新型コロナウイルスによる自粛が広がる中で、テレワーク活用の必要性が浮き彫りになりました。
これまでの「年功序列」「出社型の働き方」「紙文化」など絵に書いたような旧態な企業での働きかたでした。これからは、よりライフステージに合わせ、場所や時間に縛られず、また、複業(副業)により会社にも縛られない多様な働き方が受け入れられてきています。
評価が下がるのではないか?という不安
実は新型コロナウィルスによる自粛が推奨される前から多様な働き方を推進している企業もたくさんあります。がしかし、活用率が意外にも低いという事実があることもわかっています。例えばテレワークの利用率などのことです。
テレワークの利用率が低い理由として、利用者(従業員)が、「出社している人に比べ評価が下がるのではないか?」「近くにいてもらわないと状況が見えず評価しにくい」という、”不安”の声を社内でもよく聞きました。
旧態の働き方に慣れてしまった結果、場所/時間にとらわれており、幾ら企業が、多様な働き方を認め制度を整えても利用が進まないといったことがあります。
多様な働き方に対する評価のさらなる問題
事例として紹介したテレワークの話や、現状の評価に対する考えから考察すると、そもそも、評価への不安が拭えていない状況が、多様な働き方への変化を阻害している、と仮定した場合、以下のような変化と課題が出てくると考えます。
最後にそれら問題を解決する処方箋として、評価に必要な3つのポイントを改めて考えてみます。
公平で納得感のある評価を受けたいという欲求
これまでの話から、評価が公平に行われているのか?、その評価が妥当で納得できるものなのか?更には自身の考え・理想が、会社から求められていることに、大きな乖離がないのか?という不安・不満が見て取れます。
ここで冒頭で紹介した「公平で納得感のある評価に必要な3つのポイント」を実施することで、これらの不安・不満が解消していけるのではないか?と考えます。
・生産性評価
・1 on 1 ミーティング
・360度評価
それぞれについて説明していきます。
生産性の評価
従来の時間単価ではなく、生産性を評価の軸に加えよう、という話です。
生産性を企業の評価制度として組み込んだ事例です。
d.人事評価の見直し(生産性評価の導入)
人事評価に「生産性(投入した時間に対する成果)の視点」を導入し、「限られた時間の中でより高いパフォーマンスを発揮する(業績に大きく貢献している、お客さま・マーケット目線で新たな価値・サービスを創造している 等)」ことを評価(同一の成果であれば、より時間が短く効率的に働いている職員を評価)し、働く時間に制約がある職員を含めたすべての職員に対して、評価の公正性と納得感の向上を図ります。
住友生命保険相互会社
2019 年度 WPI プロジェクト(働き方改革)取組みについて
https://www.sumitomolife.co.jp/about/newsrelease/pdf/2018/190305.pdf
「生活残業」などと言った弊害をなくし、より公平で納得がある評価にしていく考えです。企業から見たとき単位時間当たりの生産性が高い人ほどやめてほしく無いと考える。当たり前のことです。また雇われ働く側としては無論、アウトプットにかけたコスト(時間)がより低い方が会社が求める能力が高いと判断されて然るべきです。
1 on 1 ミーティング
上司とのこまめな情報・状況の共有を通じ、自身の行動と会社が求めていることの乖離を発見し、乖離が大きければ軌道修正していく。
短い間隔でのフィードバックにより、「見てくれている」という思いから評価への納得感も高めていける。
例えば、上司は目線が異なります。これは企業内における情報量の差であり役職が上がるほど多く・広くなります。1on1での対話を通じ自身の主張と求められていることのGAPを認識し、軌道修正するのか?はたまたそれ以外の選択肢を取るのか?を納得した上で選んでいくことができます。
360度評価
多面的な評価とその可視化によく使われるツールです。その目的は大きく2つと考えられます。
- 自身の行動改革の気づきの機会を増やす
- 多面的な評価による自身の納得感の向上
どちらも上司からの評価(1度)ではなく、同僚、部下、案件メンバーなど多面からの評価を受けることで、自身の認識周りからの期待との乖離を浮き彫りにし、大きな乖離があると感じたら、自身の行動を改革する。その機会を増やすことを目的とします。
給与決定の材料に360度評価を導入した会社事例もあります。
価者と被評価者という区分は、あまり僕らの会社においては正しくない。「結局評価者って上司でしょ」となるので、そこに目線がいっちゃうと、やっぱりアトラエらしくないよねと。
じゃあどうするっていうと、まず周りの人に評価してもらえばいいんじゃないかという話になりまして。「それっていわゆる360度評価だよね」と決まっていきました。
被評価者が評価者を5人選んで評価をつけてもらっています。5人というのは、そのくらいがいいんじゃないかというだいたいの感覚です。
その評価者は全員後輩にしたらバランス悪いよね、でも全員先輩だと重いよね、うちの社長はエンジニアの技術分からないから社長に評価されるのはなぁということであれば社長を外してくれと。
アトラエの組織文化づくり③
「等級はない、評価は360度評価」https://hrnote.jp/contents/b-contents-composition-aresugo10-190202/
今後は事例の様に、360度評価の結果を給与に結びつける工夫が広がっていくものと考えます。実際に私も個人的に会社の同僚、上司にお願いし、360度評価を実施しました。結果としては自身の行動を見直す機会を得た実感があります。
ただし、まだまだアトラエの事例は特別だという思いもあります。実際の対価=給与を支払うための基準として給与制度に組み込むには、定量的な評価が必要です。
この点で評価者によるばらつき(故意の悪口など)が起きやすい360評価は、更にばらつきが少なくなる様な評価項目の信頼性を向上させる必要があると考えます。
公平で納得感のある評価を受けて働こう
評価される側は会社の評価制度を変えることは難しいですので、最終的には、自分が望む働き方で働ける職場への転職を促す事になってしまいますが、それも一つの手段です。
評価する側は、新たな働き方・スタイルに変わりつつ在る中で、まずはコミュニケーションを大切にしつつ個人個人の能力/意欲を評価していくことが今まで以上に大事であると考えます。
評価というものについては正解が無いのも事実であり、自分が如何に納得できるか?納得するにはどうすればいいのか?は個々人が考え続ける必要がある課題だと思いますので、その手助けになれば幸いです。
最後に
今回、MINDSというMicorosoft社が主催する異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティに少しですが参加させていただいた経緯から得た知見も多く含めさせていただいてます。活動の普及のため、いくつかのページのリンクをつけておきますので、興味があれば御覧ください。
MINDSレポート【第1回】 ミレニアル世代は働き方改革に何を提言するのか?
https://swri.jp/article/564
異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティMINDS 2019活動報告と継続のお知らせ<2月17日 プレスリリース全文>
https://note.com/minds/n/nd0d7583f5d48
ミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティ「MINDS」発足、2020年に向けた理想の働き方を実践
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1154550.html
スムーズビズ推進大賞
https://smooth-biz.metro.tokyo.lg.jp/award.html
https://smooth-biz.metro.tokyo.lg.jp/archive/example17_minds.pdf
当ブログに出ている、個人の能力とその優劣については、主観的な絶対値ではなく、属する会社から求められているものに沿っているか?という客観的な話と捉えてください。